2006年10月28日

マクロビオティックに五行説は必要か?E

「マクロビオティックに五行説は必要か?」というテーマで長々と書いてきましたが、そろそろまとめに入りたいと思います。

桜沢如一は、中国伝統の陰陽説や五行説の複雑化や曖昧さを問い直し、万物を計る尺度としての「陰陽」の概念を明確に示しなおしました。

それが「無双原理」というマクロビオティックの基本理念だったのです。

■無双原理とは?

無双原理とは、陰陽の特質を記述した「無双原理の12の定理」「無双原理図解」という二つの主柱で成り立っています。

桜沢先生はこのシンプルな陰陽の定理だけで、全ての事象を解き明かせると言っています。

【無双原理の12の定理】
1.宇宙は陰陽の秩序をもって展開す。
2.陰陽秩序は無限に、不断にいたるところに生起し、相関交渉盛衰す。
3.求心、圧縮、下降の性を有するものを陽といい、
  遠心、拡散、上昇の性を有するものを陰という。
  (故に、活動や熱は陽から、静かさや冷たさは陰から生まれる)
4.陽は陰を、陰は陽を相牽引す。
5.森羅万象は、あらゆる比例において陰陽両性を荷帯せる宇宙の本体の電子的
  微分子の複雑なる高次元の集合なり。
6.森羅万象は、単に種々なる程度の動的均衡を示す陰陽の集合なり。
7.絶対純粋なる陰または陽なる事物は存在せず、総じて相対性なり。
8.一物といえども中性なるものなし。必ず陰陽多寡あり。
9.森羅万象の相互の引力は、その対者間の陰陽差に比例す。
10.同名の性は相排斥す。同名の性の排斥力はその差に逆比例す。
11.陰極まりて陽生じ、陽極まりて陰生ず。
12.万物その内奥に陽を付帯し、外側に陰を付帯す。


無双原理図解とは、12の定理から導き出される簡易図です。
inyouzukai.jpg

『無双原理・易』(桜沢如一著 日本CI協会刊)より

図の中に五行説で使われる「五味」も記述されています。つまり、五行という観念もこの無双原理で洗い直しているということです。

マクロビオティックの基本原理とは実はこの「無双原理の12の定理」とそこから導き出される「無双原理図解」だけです。桜沢先生はその他の原理は何一つ提示していません。

※その他に「宇宙の秩序」という原理がありますが、これは扱う分野(次元)が違いますので、また後日その構造については説明します。

ですから、桜沢如一のオリジナルマクロビオティック(私はこれを古典落語ならぬ古典マクロと読んでいます)においては、「陰陽五行説」は歴史的な検証の対象にはなるが、原理としての必要性はないと私は考えています。

ただ、それは「古典マクロ」の世界でのお話…。

なぜ、現在のマクロビオティクで陰陽五行説が持ち出されるかと言うと、それはそれだけの魅力があるからだということです。

■陰陽という瞑想

さて、この無双原理…。
果たして、どれだけの人がこの原理のみを活用して、実生活に応用して行けるでしょうか?
前章でも書きましたが、無双原理の陰陽とは言わば「神の視点」=「悟りの視点」なわけです。この原理を頭では理解できても、実生活上で直感的に応用していくということは、まさに「神人一体」の境地といっても語弊がありません。

五色は人の目をして盲(もう)ならしむ。五音は人の耳をして聾(ろう)ならしむ。五味は人の口をして爽(たが)わしむ。
『老子 ―道徳経上編第12章』より

桜沢が影響を受けていると思われる老子は、「五色(ごしき)」「五音(ごおん)」「五味(ごみ)」がそれぞれに交じり合って、様々な色や音楽や料理ができあがり、それらが人々の欲望を刺激して生活をくるわせることになると言いました。

複雑さや混沌が生活をくるわせるのであれば、シンプルな原理を明確化してそれに従えばいい・・・。
私はそんな極端な桜沢先生が大好きなのですが、実際にマクロビオティックを一般の方々に普及したり、指導するには

「シンプルすぎて通じない!!って」

というのが引き継いだ方々の叫びだったのではないでしょうか?(笑)

瞑想が呼吸という呼気と吸気のバランスにあるとすれば、マクロビオティックは食事を中心に全ての生活の中で陰陽のバランスをとるという言わば「動的な瞑想」です。
いきなり、一般の人たちや海外の人たち、病気で苦しんでいる人たちに「神様の視点で瞑想しなさい」なんて言ったって通じる訳がないのです。

そこには、無双原理と複雑な現実的生活を繋ぐ中間点がどうしても必要になってくるのです。

<結局終わらなかった!次回こそ最終回>

【マクロビオティックに五行説は必要か?シリーズ】
@無双原理と陰陽説
A陰陽五行説とは?
B五行説の歴史と謎 
C古代世界と五惑星観
D陰陽説と五行説の観測点の違い
E古典マクロにおける五行説の必要性
Fまとめ























2006年10月22日

マクロビオティックに五行説は必要か?D

五芒星に象徴される「5」を基本とした五行説に対して、陰陽説はどう捉えれるでしょうか。これは、実は桜沢如一のマクロビオティック観に象徴されています。

■陰陽=▽△であらわす訳
inyoukigo2.jpg

桜沢先生は陰陽を上の図のように三角形の上下「▽△」であらわしました。これは「陰」は地の中心からのエネルギー、「陽」は天の中心からのエネルギーを現すとともに、陰陽のエネルギーが調和した状態を次の図にあるような「六芒星」であらわそうとしたからです。
rokuinyo.jpg

陰陽二気が交じり合って、6点が現れます。ここから「2+6」で八卦が求められます。
つまり、易の原理と同じで「六芒星」は「太極図」と同等の意味が込められています。

易的な陰陽説=「六芒星」=「6」の原理
陰陽五行説=「五芒星」=「5」の原理

から成り立っているとすれば、この「6」と「5」の違いとはなんなんでしょうか?

■陰陽説と五行説の観測点の違い

この違いは簡単に言ってしまえは現象の観測点の違いを表しています。
siten.JPG

図の左、陰陽説はいわば人を超えた「神の視点」からの観察に対して、五行説は常に「人の視点」に観察点があるように思えます。

つまり、陰陽説は「六感」という「五感」を超えたインスピレーション(直感)的判断であるからこそ、易は後世になって「当るも八卦、当らぬも八卦」というように占術として発達してきたと考えられます。

一方五行説は「五感」という実感しやすい感覚を大切にした分析的判断であるため、五味、五臓、五穀など人の実感に根ざし、医学や政治術、戦争術、農耕術に利用されるようになってきました。

※ただ、桜沢先生は陰陽説を科学的観点から再評価し、「占術」としての陰陽説をかなり批判しています。しかし、その後ユングを起点としたシンクロニシティー理論やニューサイエンスの分野などから、「占術」を一つの直感科学として新たな心理科学の一分野として認められはじめたり、易とDNAの構造的酷似などで生物化学にも注目され始められていることを考えると、ちょっと桜沢先生の「占術」批判は時代遅れという感じもあるでしょう・・・。

■陰陽説と五行説のメリット・デメリット

易はいわば宇宙論です。むしろ哲学に近いといえます。理論自体はとてもシンプルでわかりやすく、永遠普遍の真理を感得するにはとても有効です。何しろ神様の視点なのですから…。

ところが、複雑で流動的な人間社会で、この陰陽説はあまりにも人間離れしていて実感が伴いません。毎日神様の視点で物を眺めて生きていくことはなかなか出来ません。

そこで、もっと人の感覚に根ざした真理を読むシステムが必要になります。そこで五行説が登場します。

五行説は人間社会、人と関わる自然界、人と宇宙の関わりなど複雑で流動的な現象を記述するのにとても便利なツールとして発展しました。

自然、五行説が中心にあまり実用的でない陰陽説が取り込まれることになります。

ところが、この五行説は人の視点を観察点としているため、時代の変化によってどんどん解釈も変わってきます。そして、その影響で本来永遠普遍であるはずの陰陽説という大前提が曖昧になってきます。

四千年以上の昔、「天」はハジメYinの最大、最高のシンボルと考えられ、「地」はその反対と考えれ、用いられたのです。「天」は無限の空間、ヒロガリですから、遠心性Yinを代表し、「地」は反対に、求心性Yangを代表したのです。その後になって、形而上学者たちが「天」(空)を、この全ての現象やモノの製造者というイミで、最高の神聖、天帝、最大不可抗の力、Yangの代表にしました。オマケニ、それで天、天帝、上帝などというコトバを、太陽と同義語にしてしまったのです。ここに形而上学と形而下学の用語の大混乱のハジマリがあります。
『東洋医学の哲学』(桜沢如一著 日本CI協会刊)より

つまり、桜沢如一は人間が観察点である五行的な視点に重きを置くあまり、本来永遠普遍であるはずの陰陽説までもが混乱していることを嘆いている訳です。

そこでは、桜沢先生は本来あるべき陰陽説を整理し、もう一度この「神様からの視点」から、現象世界を捉えるシステムを確立しようとしました。

それが「無双原理・易」だったわけです。

そして、実感が伴わないという欠点を補う為に「食べ物」というツールを最大限に利用しようとしたところが桜沢先生のセンスだったのでしょう。

<さて、次回は最終回!になるかなぁ?>

【マクロビオティックに五行説は必要か?シリーズ】
@無双原理と陰陽説
A陰陽五行説とは?
B五行説の歴史と謎 
C古代世界と五惑星観
D陰陽説と五行説の観測点の違い
E古典マクロにおける五行説の必要性
Fまとめ










2006年10月18日

ちょっとティータイム

小難しい記事がつづいてますのでちょっとティータイム・・・。

義理の両親の結婚記念日にオータムナッツタルトを久しぶりにつくりました。

teatime1.jpg

久しぶりにつくると一から材料集めないとならないので、ものすごい原価率(笑)オーガニックレストランの苦労がわかるなぁ・・・。

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さぁ、イギリスの田舎のおばちゃんになった気分で、ざっくりテキトーにいきましょう!今回は食べるのがお年寄りなので薄力粉と完全粉を大体2:1ぐらい、塩をひとつまみ入れてよくかき混ぜる。
オリーブオイルを加えながらよーく手で擦り合わせる。ぬるま湯を少しずつ加えながら捏ねないようにザックリと一つにまとめ、1時間ぐらい寝かす。

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さつま芋に軽く塩をし、私のお友達マスタークック君に放り込み、蒸す。主役のオーガニックに育ったアーモンド、カシューナッツ、くるみ、ピスタチオ君たち、値段もVIP級・・・。軽く手で揉んでおく。

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皮を剥いてマッシュしたさつま芋にアップルジュースとアーモンドペーストを加えフィリングの完成!
タルトをつくろうと思い立った次の日、全然違うルートから手作りのアーモンドペーストを貰う…。料理のコツは神様を味方に付けること(笑)

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タルト型に生地を置き、210度〜230度ぐらいで25分程度焼いて、レーズンを適量敷き詰め、フィリングを型に収める。

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最後にナッツを散らして、米飴をフォークで満遍なくかけてデキアガリ!

このタルトの作り方は5年前、マクロビを勉強していた時、友人のSちゃんから教わって以来、秋になると思い立ったようにつくるオータムタルト。分量もテキトー、アレンジもテキトー、自由に簡単に出来てみんなに喜ばれる幸せタルトなのでした。

2006年10月16日

マクロビオティックに五行説は必要か?C

ほぼ自己満足型の論文と化してしまってますが(笑)もう少しお付き合いください!

■古代世界と五惑星観

さて、五行説に使われるこの「5」という数字はどこから来るのでしょう?そのヒントとなるのは図形にあります。

gobou.jpg

もう一度上の図を見てもらうと五行説は所謂星型である「五芒星」と深い関係があります。

なぜ「星」のことを「☆」とシンボライズされるのかは、古代の人たちにとって、星とは「木星・火星・土星・金星・水星」という五惑星を意味していたからです。

歴史的に確認されているもっとも古い五芒星の用法は、紀元前3000年頃のメソポタミアの書物の中に発見されているそうです。

またもう少し時代が下がったバビロニアでは図形の各側面に前後左右と上の各方向を割り当て、それぞれ木星・水星・火星・土星、そして上に地母神イシュタルの現れとされた金星を対応させたそうです。

※参考「ウィキペディア フリー百科事典」

西アジアで起こった五芒星に五惑星を対応させる考え方は、その後ヨーロッパにも受け継がれているので、同じ頃の東アジアである古代中国で同じような宇宙観があっても不思議ではありません。

そして、この「五芒星」でもっとも大切なのが「金星」となります。なぜなら、古代人は夜空を観測することで金星の軌道が「五芒星」を描くことを知っていたからです。

☆☆☆ 金星と五芒星 ☆☆☆

太陽を中心とした惑星の軌道上で金星は地球より早く巡り1.6年ごとに地球を追い抜かすので、金星は8年間に5回地球と出会います。その出会う場所を順番に線で結んでいくと軌道上に五芒星を描くと言われています。

ですから「金星」を頂点として他の四惑星を当てはめた形で「☆」型が「星」を象徴するようになったようです。

そしてここが大切なのですが、頂点とされる金星は地母神イシュタル、イシス、ヴィーナス、マリアなど古代の女神信仰と深い関わりがあった事です。

なぜなら「五芒星」は人型を意味し、人を産み落とすのは女性であるからです。万物の母を崇める信仰ですね。

hitogo.JPG

残念ながら、この女神信仰は初期の段階で男性原理主義に置き換えられ「五芒星」は人や自然界の形ある物を支配するシンボルとしてヨーロッパ・アジアで広く使われるようになりました。

☆☆☆ 人体や自然界を支配する「5」☆☆☆

この「5」という数字が、人体や人と関わる現象にとても有効に作用することを古代の人々は知っていました。

なぜなら、人体は常に「5」という奇数に支配されているからです。頭・両手足の五体、五本の手足の指、五感など・・・。

また五芒星は幾何学の世界でも、黄金分割やフィボナッチ螺旋という、人体や自然の形(松毬、オウムガイの殻、渦状星雲など)、つまり自然界の様々なところに内在するスパイラルを導く普遍的図形とも言われています。

frasen.jpg

<五芒星系から求められる四角形と黄金分割で自然界に普遍的に現れるフィボナッチ・スパイラルが現れる>

※この辺はとても面白いのですが、難しいので興味のある方はネット等でお調べください。人体とスパイラルに関しては久司先生が詳しいです。


五芒星形を基本とする中国の五行思想も、このような「5」という数字に潜む神秘的な感覚に裏打ちされていたものと考えられます。

それでは次回は、陰陽説の図形的解釈を見て五行説との比較検討してみたいと思います。

<えぇ〜まだ続くの!>

【マクロビオティックに五行説は必要か?シリーズ】
@無双原理と陰陽説
A陰陽五行説とは?
B五行説の歴史と謎 
C古代世界と五惑星観
D陰陽説と五行説の観測点の違い
E古典マクロにおける五行説の必要性
Fまとめ

2006年10月15日

マクロビオティックに五行説は必要か?B

引き続き五行説について見てみたいと思います。

■五行説の歴史と謎

さてこの五行説、どうも判り難い…。まずなぜ「木火土金水」という5つなんだろうということで、五行説の歴史をもう少し詳しく見て行きたいと思います。

「中国まるごと百科辞典」より

@紀元前2070年から始まる夏王朝の聖王、禹(ウ)は洛水からはい上ってきた一ぴきの亀の甲羅に書かれた文様(洛書)から五という数を悟り、国を治めるのに五つの基本原理を思いついた。

A禹が定めた五行というのは、「水は土地を潤おし、穀物を養い、集まって川となって流れ、海に入って鹹(かん:しお)となる。火は上に燃えあがり、焦げて苦くなる。木は曲ったものも真直ぐなものもあり、その実は酸ぱい。金は形を変えて刀や鍬となり、味は辛い。土は種を実らせ、その実は甘い」というもので、禹はこのように、『木火土金水』と五つの『味』、五行五味の調和を政治のプリンシプルとした。

B紀元前800年から始まる斉の時代になって陰陽家鄒衍(すうえん)によって、五つの惑星と結びつけられ、さらにまた万物に当てはめられて、観念的な五行説として完成した。


さて、確実に文献に現れるのはBの頃なので、@Aはあくまで伝説でどこまで信憑性があるかわかりませんがAに見られるように五行の始まりは「木火土金水」という自然現象に「五味」を当てはめたことにあったようです。

木=酸 火=苦 土=甘 金=辛 水=鹹(かん:しお)

率直な話、私はどうも五行の「木火土金水」を純粋なエレメント(要素)としてはどうもピンとこなかったのです。

水、火、土、木(植物)はなんとかエレメントとしてイメージできるのですが、どうも「金」だけはイメージできない。なぜなら、「金」は自然ではなく「形を変えて刀や鍬」とあるように、人間の力が加わらないと成り立ちません。

ですから、五行説の始まりは「農耕文化・鉄器文化」との深い関わりがあったことがAをみてわかります。つまり、4つの自然のエレメントに人の要素を加えた「5」だったとすればやっと五行説を理解できるのです。

もう一つの疑問は、「木=酸 火=苦 土=甘 金=辛 水=鹹(かん:しお)」という五行と五味が自然な感覚として結びつかない。

だって、塩辛いの塩であって水ではないし。甘いのは穀物であって土ではない。まして金が辛いなんて想像も出来ない・・・。

「木火土金水」がそれぞれ人の食べ物を生むことはわかるのだけど、どっちにしろ「金」は「辛い」にはどうも無理がある。

そんなこんなで私の結論としては、「斉の時代になって陰陽家鄒衍(すうえん)によって、五つの惑星と結びつけられた」とありますが、どうも古代の初めから「木星・火星・土星・金星・水星」という五惑星の観念があったのではないかと思うのです。

そして、この五惑星という観念にある種無理やり、諸現象を当てはめようとしている感じがするのです。

次回はそんなところに論点をもって行きたいと思います。

※一見五行説批判みたいになってしまってますが、決してそうではありません。五行説の有効性は後でちゃんと示しますので、東洋医学に従事する方々、気を悪くしたらごめんなさい!

【マクロビオティックに五行説は必要か?シリーズ】
@無双原理と陰陽説
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C古代世界と五惑星観
D陰陽説と五行説の観測点の違い
E古典マクロにおける五行説の必要性
Fまとめ

2006年10月13日

マクロビオティックに五行説は必要か?A

前回は桜沢如一が、どうのような経緯でマクロビオティックの根本理念である「無双原理」を打ち立てたかを検証しました。

では、「陰陽五行説」に焦点を当ててみましょう。

■「陰陽五行説」とは?

陰陽五行説は、中医学や風水、陰陽道など中国の思想体系の中心を成す原理ですが、元々は前出の陰陽説とは別に五行説という別個の理論あり、徐々に結びつき、春秋・戦国時代に統合体系化されたそうです。

陰陽説とは、前回に触れました伏羲に先立つ「易」の二元論です。

五行説とは宇宙は5つの基本元素「木火土金水」で成り立ち、それぞれが相生・相剋するという考え方で、一説には伏羲がいた伝説の時代が終わった紀元前2070頃から始まる夏王朝の聖王禹(ウ)がつくったといわれます。禹の治世のときに洛水からはい上ってきた一ぴきの亀の甲羅に書かれた文様から五という数を悟り、国を治めるのに五つの基本原理を思いついたとう伝説があるそうです。

gobou.jpg


ここからが私の疑問なんですが、何で「陰陽という2元論」と「五行という5元論」が結びつくのかということなんです。

陰陽説はとてもシンプルでわかりやすいのですが、これに五行説が結びつくと途端に判り難くなる印象があります。そもそも何で「5」なんだろうという素直な疑問があります。

陰陽説の根本原理は「太極→両儀→四象→八卦」、つまり「0(1)→2→4→8」という世界観です。

yonsyou.JPG


つまり、四象という「4」元素ならとても判り易いのですが、なぜ「+1」の「5」なんだろうと混乱してしますのです。

これは単純に私が「易」を中心に考えているから混乱するのだそうです。なぜなら「陰陽五行」という考え方はむしろ、五行を活かそうとした思想だったようです。(陰陽説との折衷案みたいな・・・)

つまり、万物は「木火土金水」の5元素がらなっているのが前提で、その5元素は天上の見えない根本エネルギーである陰と陽から生成されるというように、「易」の四象八卦はあまり重要視しないみたいなのです。

むしろ易的な「陰陽説」と五行を基本とする「陰陽五行説」は別物の考えた方がよさそうです。

<つづく>

【マクロビオティックに五行説は必要か?シリーズ】
@無双原理と陰陽説
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D陰陽説と五行説の観測点の違い
E古典マクロにおける五行説の必要性
Fまとめ


2006年10月12日

マクロビオティックに五行説は必要か?

さて、今回のサトル・マクロは 「マクロビオティックに五行説は必要か?」というテーマで考えてみたいと思います。

よく、マクロビオティックを勉強している人に「どうしても陰陽五行説がわからない」と言われるのですが、私は「マクロビオティックに五行説は必要なのかなぁ?」といつも疑問に思っていました。

そもそも、なぜマクロビオティックに「陰陽五行説」が取り入れられているかと言うと、3つの理由があると思います。

@久司道夫先生のマクロビオティックの理論体系に取り入れられているから
A大森英櫻先生が「4つの体質と中庸」という形で五行説を取り入れているから
Bマクロビオティック=東洋医学の体系として捉えられる傾向にあるから


さて、私は主にマクロビオティックとは桜沢如一先生の理論体系の影響が大きいので、あまり五行説というものを考えてきませんでした。なぜなら、桜沢先生は「無双原理」という陰陽二元論としてのマクロビオティックしか提示していなかったからです。

私見で、穴だらけではありますが無双原理(陰陽二元論)と陰陽五行説についての考察をしていきたいと思います。

■マクロビオティックの根本理論「無双原理」とは?

「無双原理」とは言うまでもなく、宇宙を構成する二つの拮抗するエネルギーを陰と陽と呼び、全ての現象をこの陰陽で説明する原理を言います。

桜沢如一の「無双原理」は、もともと、明治の食養家石塚左玄の食養理論である「夫婦アルカリ論」の影響からきています。

石塚左玄はすべての食物には「ナトリウム」と「カリウム」の拮抗があり、この差によって食物の性質が決まるとしました。

それを受けて桜沢は、「ナトリウム」と「カリウム」を「陽」と「陰」に置き換えれば、食べ物だけでなく宇宙全般、地球、自然、人、社会、医学、物理学、科学、経済、芸術、人生、全てを説明する「最高の原理(二つとない原理)」となるのではないかと考えました。

これが近代マクロビオティックの始まりです。

そして、桜沢はその答えをまず中国の「易」に求めました。

■「陰陽論」または「易」

時は中国紀元前2700年ごろ 三皇五帝による統治された伝説的な時代がありました。その皇帝の一人伏犠(フツギ)が天の運行、世の動きなどから直感的に宇宙には相対する二つのエネルギー「宇宙万物は陰陽より成る」とし、陰陽二気から生まれる四象八卦で全ての現象を法則化することが出来るとしました。

これが後の時代「周」の頃、体系としてまとめられたのが「周易」に代表される「易経」だそうです。

もちろん、桜沢はこの「易」のことは充分知っていました。ところが、後の時代に編まれた「周易」及び注釈書は「『易』は広大悉く備わる(無双原理)」という原理をシンプルに説明してくれるものはどこにもありませんでした。

唯一「老子」が『道徳経』で一部を伝えているぐらいで、後は占いの手引書、64卦をもてあそぶ売ト(ばいとく)の易などと桜沢先生は言っています。(易者の皆さんごめんなさい!!)

そこで、桜沢先生は左玄の「ナトリウム・カリウム拮抗理論」と「伏犠のシンプルな陰陽論」そして、老子の『道徳経』を元に独自の「易」をまとめ上げました。

それが無双原理12の定理に代表される「無双原理・易」というマクロビオティックの最高理論だったわけです。

※無双原理の12の定理は、E古典マクロにおける五行説の必要性に参照があります。

<つづく>

【マクロビオティックに五行説は必要か?シリーズ】
@無双原理と陰陽説
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D陰陽説と五行説の観測点の違い
E古典マクロにおける五行説の必要性
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2006年10月09日

100%の恵みどう使いますか?B

さて、この三つのカテゴリーの内、どこからアプローチするのが一番効率が良いかということを検討してみたいと思います。

「葛藤」=「ストレス」と言い換えれば、一番現実的にエネルギーを消耗しているのは「Aの社会性」だと私たちはどうしても考えてしまいます。

ところが、下の図を見てもらえるとわかるように、実は社会性とは私たちの精神性と身体性の投影図でしかありません。

touei.JPG


簡単に言えば、「戦争がある社会」とは、私たちが精神的に「100%の恵みをもらえていない」と思い込んでいたり「大いなるものへの絶対の信頼」を欠いていれば、足りないエネルギーを他者から奪おうと考えるのは自然なことです。

それが社会へ投影されれば、その社会を象徴するものは戦争であったり、競争であったりするわけです。

ですから、社会システムや規制のモラルを変えようと運動を起こしたり、反対活動をする事は、意味はないとは言いませんが、ある種映画のスクリーンに槍を突いているような暖簾に腕押し状態で、ますます「宇宙エネルギー」の消費を促すことにもなりかねません。

ですから、Aへのアプローチはしばらく置いといて、やはり@とBへのアプローチを考えた方がよさそうです。

いくら@とBを考えても、Aの社会が危機に瀕していてはどうしようもないとあせる方もいるでしょうが、そのあせりすらも社会というスクリーンに投影されてします(笑)
今はまず、あせらず自分の精神性と身体性に意識を集中しましょう!

■@精神的消費を抑えるには

本来この分野は、「大いなるものへの信頼感」ということで宗教が担う分野でした。
原始の宗教は、「私たち全ては100%の恵みを受けている」という真理を伝えるものでした。つまり「神」の似姿である私たちは、「神」と同等の創造性を発揮できる存在であるということを。

しかし、後世になって、時の権力がこの宗教を利用し始めます。「神」を人格神として絶対視することで、その他の一般民衆の不完全さを個々人の精神性へと埋め込みます。

これによって一般民衆は、「自分達は不完全な存在(足りない存在)」として100%の恵みを自ら拒否することになります。

権力にある人にとっては、創造性を発揮しない人たちの方が動かしやすいのですね。(教師、親も含めてね!)

さて、このように歴史的に埋め込まれてきた「不信感」をどう克服するかは、単純な話この事を知ればいいだけです。

今「ダビィンチ・コード」等で我々の精神性にこびりついた絶対的な宗教性の解体やスピリチュアリズムの興隆で新たな精神性の拡張がはじまってます。

学校で教わる規制の価値観ではなく、新しい価値観にどんどん心を開いていくことが大切になります。

それと実感です。宇宙との一体感を感じるには瞑想が役に立ちますし、自然と触れ合うことでその圧倒的はエネルギーを感じることもできます。ヨガや気功、そしてレイキなどの手技療法に触れることで宇宙的なエネルギーへの信頼感は高まってきます。

まずは、私たちは全て100%の恵みを受け取っていることを確信していきましょう!
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2006年10月08日

100%の恵みどう使いますか?A

私たちの夢を現実化のために使えるエネルギーがもし10%だったら、どんなにヴィジョンをもっていてもなかなか現実化することはないでしょう。

逆に言えば、もっているヴィジョンに100%のエネルギーを使うことが出来れば、ほとんどのヴィジョンは現実化することが出来るかもしれません。

なぜなら、宇宙の構造は「設計図(意志)+宇宙(生命)エネルギー=現実化」というシンプルな法則が成り立っているからです。

天才やいつも夢を叶える人や思いのままに生きている人は、単純に100%の恵みを効率よく自分の意志(創造性)に使っている以外、なんら私たち普通人と変わることはありません。

@精神的消費

彼らは、完全に宇宙を信頼しているし、自分が常に満たされていることを知っています。そして全ての人がそうであることを知っています。ですから、誰もが認められている100%の恵みを洩れなく受け取ることが出来ます。

A社会的消費

このカテゴリーは、大まかに分けて二つのタイプがいるかもしれません。一つは全く既成の社会システムやモラルを気にしなかったり、完全に超えた観念で存在します。つまり、変人ということで誰もが自分たちのモラルに当てはめようとコントロールしようとしないので、余計なエネルギーを消耗することはありません。
もう一つは、既成の社会システムやモラルを完全肯定してしまうタイプです。彼らは、全ての社会現象を肯定的に自分の糧としてしまうので、それによる葛藤が起こりません。変人とも思われないので、私はこちらをおすすめします(笑)。

B身体的消費

さて、このカテゴリーは若干判断が難しいのですが…。なぜなら、「天才」というとどうしても「20世紀的な破滅型天才」というイメージが先行してしまうからです。

大概の「天才」といわれる人は、@とAのカテゴリで消費しないエネルギーを元に自分の意志を現実化させます。しかし、このBのカテゴリーを考慮しないと思わぬバランスを崩し、破滅的になることがあります。

ですから「天才」というと誤解も多いので「いつも自分の夢を叶える人」や「自分の思いのままに生きている人」と言った方がいいかもしれません。

そういった人は、やはり身体的なバランスをとても大切にしています。

自分の意識を鈍らせる食べ物は自然ととらなかったり、肉体を維持する以上の食べ物を過剰にとることで、宇宙エネルギーを余計な消化で使うことはありません。

以上のような三つのカテゴリーでの「葛藤」という「宇宙エネルギーの消費」を極力おさえることで、大部分のエネルギーを自分の「創造性」に使うことが出来ます。

神様が100%の創造性を発揮できるとすれば(なぜなら神様とは「宇宙エネルギー」そのもののことを言うのですから)、人間の世界での出来事なら60%〜90%のエネルギーを持ってすれば、現実化することが出来るのではないでしょうか。

あくまで想像ですが…。

では次回は、それぞれのカテゴリーでどうやって、消費率をおさえていくかを具体的に見ていきましょう!
posted by anubis 22 at 17:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ■日々のコラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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