2006年11月15日

マクロビオティックに五行説は必要か?F

さて、怒涛のような忙しさが終わって、やっとPCへ向う時間が出来ました。さぁ今日こそこのシリーズ終わらせるぞ〜。

■大森英櫻と久司道夫の五行的アプローチ

皆さんオレンジページの「マクロビオティックがおいしい」という本を読んだことがありますか?
マクロビオティックが一躍メジャーに押し上げられた記念すべき冊子です。

その本のマクロビオティックの診断法の中に象徴的なページがあります。

「陰陽五行図」とマクロビオティックの「4つの体質」が並んで表示されています。この陰陽五行説の出典は久司道夫先生、4つの体質の出典は大森英櫻先生にあります。

大森先生の「4つの体質」は、陰と陽をそれぞれ「肥大」と「萎縮」に分け4つのタイプに当てはめて体質を判断するシステムです。
実はこれは中央に理想的な健康という「中庸」の状態を持ってくる五行的な考え方から来ています。

五行説には所謂相生相剋の典型的な図だけでなく、4つの季節や4つの方角の中央に「土用」という中庸概念をおいて五行説とする考え方もあります。

yon.jpg

☆季節= 春 夏 土用 秋 冬
☆方位= 東 南 中央 西 北
※ちなみに、色でいえば何故か黄色人種が中庸となってしまします。
☆色 = 青 赤 黄色 白 黒

と言う訳で、「4つの体質」も五行的観点から考えられたシステムであるとすれば、久司先生の陰陽五行説と共に二つの「5」というシステムが偶然にも同じページに並んでいることになります。

注意=久司先生の「陰陽五行説」は古典的な漢方の陰陽五行説とは「陰陽」の考え方が逆です。マクロビオティックの陰陽の考え方に照らし合わせて作りなおされているので混乱しないでね。

■病気治しをしなかった桜沢先生

大森先生がよくいっていました。

「桜沢先生は、実際に病気治しをしなかった。実際に病気治しをするには陰陽だけでは曖昧すぎて病気は治せない・・・」

つまり、大森先生も久司先生も実際に病気治しをするにあたって具体的な診断をするにはどうしても五行的なシステムを必要としたということになります。

「5」という数字は、人体を象徴しています。つまり医療とはいわば、人を支配すること、人をコントロールすること(決して悪い意味で言っているのではありません)。引いては社会を動かすこと。国を動かすこと。陰陽五行説が中国においてもこのようなジャンルに効力を奏した意味はここにあります。(安部晴明が五芒星を駆使するのも同じ意味です)。

一方桜沢先生は「病気は治してもらうものではない」と考えていたようです。

桜沢先生は、内的なバランス感覚を復旧させるために徹底的に自己の内側へ意識を向わせ、第六感(最高判断力)を研ぎ澄ますことが病気が治ることだと考えました。

だから食事は病気を治すための処方箋ではなく、「瞑想」なのです。

そこには「6」という直感的視点が必要でした。そして陰と陽という二つのふり幅の中で徹底的にバランス感覚を養うことがもっとも大切だったのです。

だから陰と陽だけでいいのです。陰と陽という視点をもらったら、後はその浮き輪でバランスをとることを体で覚えなさいと言っているわけです。

これはある意味厳しい突き放し方です。

■7号食という世界

この桜沢先生のシンプルで厳しい突き放しを徹底していくと、「7号食」という考え方が生まれます。

「7号食」とは、玄米とゴマ塩(あるいは穀物だけ)で1週間過ごす食べ方です。これはまさに「食」は「瞑想」であり、その期間実践する人は、否応なく内側へ意識を向けていかなくてはなりません。

さて、果たしてこのような究極的なことが一般的に通用するでしょうか?

特に西洋社会にマクロビオティック運動を広く普及させようとしていた久司先生にとっては、桜沢先生のやり方では究極的でシンプルすぎて、アメリカ人には到底理解できないだろうと思ったに違いありません。

まずは「病気を治してあげたり」「美味しく、見た目にも花やかな食事を作ってあげたり」「東洋の神秘的な自然哲学を教えたり」といった取っ掛かりを作らなくてはなりません。

それには「五行説」というシステムは、病気の診断には有効ですし、「五味五色」を活かした料理は美味しい。何よりも「木火土金水」というサイクルと相生相剋はいかにも東洋の神秘といったような趣きがあります。

そして、大森先生にとっては何より「病気治し」が趣味であり、どれだけ食だけで病気が治せるかが先生のテーマな訳です。

必然、陰陽という二点だけでなく、より人間の身体性に根ざした五点で判断した方が正確に判断できることになります。

■まとめ

結局「マクロビオティックに五行説は必要か?」という問題は、「何を持ってマクロビオティックというか?」という問題に関わってきてしまします。

現在多くの方たちが、オレンジページなどでマクロビオティックを知るということは、やはりマクロビオティックにも五行的システムが必要だという時代の象徴として捉えることが出来るでしょう。

では私といえば、やはり桜沢先生の極論的世界観が好きなのです。
病気治しにも興味持てなかったし、マクロビオティック料理の普及運動にもいまいち積極的にはなれなかった…。

だから、五行的なシステムは自分にとって必要なかったし、あまり興味も持てなかったというのが正直な感想です。

結局結論は出ません。てゆうか、でるわけないでしょッ この話題(笑)

皆さん長々とお付き合い頂きありがとうございました!

やっと終わった〜

【マクロビオティックに五行説は必要か?シリーズ】
@無双原理と陰陽説
A陰陽五行説とは?
B五行説の歴史と謎 
C古代世界と五惑星観
D陰陽説と五行説の観測点の違い
E古典マクロにおける五行説の必要性
Fまとめ

この記事へのコメント
終わりましたね〜
お疲れさまでした。

と言っておいて、いじわるする訳ではじゃないのですが・・・
五行では『土用』は夏から秋へ季節が変わる時をピックアップしていますが、
本来は全ての季節の変り目の事(でしたよね)
五行説(全体でなくポイント的に)に所々ちょっと???を感じる私は
まず、この土用で引っかかりました。
<未だに解決出来ず・・・他人は『考え過ぎ』と言います>

因に私の趣味は・・・
『言葉で何処まで治っていくのか?』です。
でも、究極は
『”何もしない”を言葉は伝えられるか?』なんです
Posted by 鍼美人 at 2006年11月15日 14:32
追伸>
すみません 
追記します
***
『土用』を中心に置きながら
『土用』は夏から秋へ季節が変わる時をピックアップしているところが
疑問なんです
***
 
しっかり 図が書かれているのに
紛らわしい書き方をしてスミマセン
Posted by 鍼美人 at 2006年11月15日 14:39
anubisさん、こんにちは。
まとめ、面白かったです。

空海は、古代インドに生まれた五大思想に「識」を加えて「六大」と言う概念を説きました。これらは全てさえぎるものがなく、永遠に結びつきあい、溶け合っていると・・・。

5という数字と6という数字の違いは精神として人を宇宙の構成要素と見るか見ないかなのでしょうか。

桜沢先生と、久司先生、大森先生の生き方の違いが、ここに象徴されているように感じました。

両者は、マクロビオティックがあくまで桜沢先生の道であることを理解し納得することで、それぞれの道を歩まれたのでしょうね。
その良し悪しは、私達が決めることではないのでしょう。あくまでそれぞれの道なのですから。

ひょっとしたら、桜沢先生を識とするならば、五大に欠けるあと3人の賢人が揃って初めてマクロビオティックが完結するのかもなんて思ったりもします。
それらは、すべてさえぎるものがなく、永遠に結びつきあい溶け合って、マクロビオティックを成すなんて、ちょっとロマンチックだな〜。

久司派や大森派なんてちっぽけなことを乗り越えていくだけの力をつけて、楽しみたいなぁ・・・。って、思います。
Posted by たま at 2006年11月15日 14:43
☆鍼美人さん、こんにちわ!

いやぁ〜、ちょっと曖昧だったけど逃げ切れるかなぁと思っていたんですが・・・。

このブログのお客様はそう甘くないですねぇ(笑)

上に挙げた五行説は空間的モデルなんです。ですから4点は常に中心を通らないと次へ移行できません。

「春 土用 夏 土用 秋 土用 冬 土用」と記述するのが正確なんですが、面倒なのと逆にわかり難くなるかなぁと思って上記のように書いてしまいました。

『言葉で何処まで治っていくのか?』です。
でも、究極は
『”何もしない”を言葉は伝えられるか?』なんです

素晴らしいですね!

鍼美人さんのように患者さんへの絶対の信頼感があれば、「サポート」という新しい医療観が生まれてくる時代がくるかもしれません。

最後まで付き合って頂きありがとうございました。
Posted by anubis 22 at 2006年11月15日 21:19
☆たまさん、こんにちわ!

最後までお読み頂き光栄です。

全くその通りですね。
新しい時代には新しいマクロビオティックがあってしかるべきだと思います。

皆さん遠慮なく、大先生方を超えていってください。

あと3人ですかぁ?

あと3人は女性がいいなぁ。

玉、風、鍼なんてどうでしょう(笑)
Posted by anubis 22 at 2006年11月15日 21:20
壮大な連載おつかれさまでした。

時々、自分がどこを読んでいたか
見失いそうなほど難易度高かったです(笑)

でも面白かったですよ〜。
こんなお話読めるのはココくらいですもんね〜♪
Posted by 怪鳥 at 2006年11月15日 21:24
☆怪鳥さん、ご無沙汰です!

長々とお読み頂きありがとうございます!

確かに古代中国からオレンジページまでの旅ですからそらやぁ壮大で難解ですよね(笑)

次回からはまた愉快な3人組に戻りますのでよろしくお願いします!

☆たまさん

玉、風、鍼、鳥 よ、四人でもいいですか?
Posted by anubis 22 at 2006年11月15日 21:40
いえいえ、もったいない。
王様が鼻水たらしたような玉は梅醤番茶でもすすって皆さんのご活躍を語り部として伝えるおばば役で十分でございます。(笑)
Posted by たま at 2006年11月15日 22:32
☆玉様

いえいえ、もし「、」が鼻水だとしても王様は王様ですから(笑)
なんたって「玉」は三種の神器ですから…
Posted by anubis 22 at 2006年11月16日 11:24
五行をしらないわたしでも、なんとなくわかった気にさせてもらえました。ありがとうございました!
Posted by mayu at 2006年11月16日 12:42
こまっちゃうな〜♪(古すぎ!歳ばればれ!)
『鍼美』はマクロビ人でないし・・・
無理ですよ〜〜〜〜

>上に挙げた五行説は空間的モデルなんです。ですから4点は常に中心を通らないと次へ移行できません。

はい 図の意味わかります
って、最初のコメント書き込んでから
気付いたんですけどね・・・わかってないやん!!
すみませ〜ん
では、また。
Posted by 鍼美人 at 2006年11月16日 19:22
☆mayuさん、こんにちわ!

長々と読んで頂きありがとうございます。
私も五行説については、まだ何もわかってないんです。

だから、ここでのお話はフィクションとしてください(笑)

☆鍼美人さん

と言う訳で、穴だらけの所はお許しくださ〜い。
私も最近マクロ微人です(笑)
Posted by anubis 22 at 2006年11月17日 09:30
>だから、五行的なシステムは自分にとって必要なかったし、あまり興味も持てなかったというのが正直な感想です。

この部分に共感します。
私は、オレンジページの「マクロビオティックがおいしい」でマクロの世界を知ったにも関わらずそこらへんは『アレ。そうだったっけ?』くらいの印象しか無いっす(ごめんなさい)
でも、病気治しには必要な知識なのでしょうし、使いこなせればきっと役にたつのでしょうね。
勉強したanubisさんだからこその到達点なのでしょうね、ありがとうございました。
Posted by fanta at 2006年11月17日 09:31
☆fantaさん、いつもありがとうございます!

そうですね。病気治しをする時は、やはり、大森先生の「4つの体質」や久司先生の「陰陽五行説」はとても有効だと思います。
特に、即効的な結果を得たいのであればなおさらだと思います。

ちなみに私は使いこなせません(笑)
Posted by anubis 22 at 2006年11月17日 10:21
anubisさん あけましておめでとうございます。昨年7月の井戸端@GAYAでちょこっとだけお会いしました鹿児島のぼんた@です。

すばらしい記事をありがとうございました。クリスマスの晩に久しぶりにこちらを訪れてこの記事を発見したとき、思わず「よだれ」が垂れそうになりました。

私は陰陽や五行のお話が大好きで、ワクワクしながら読ませて頂きました。
五行の空間モデルは今までみた文献の中でも一番わかりやすいと思います。
もちろん難易度高いですが、これは永久保存版です〜

もっと早くにコメントしたかったのですが興奮しすぎて文章にならなかった為、新年の挨拶を兼ねてお邪魔いたしました。

どうぞ今年もよろしくお願いたします。
Posted by ぼんた@ at 2007年01月05日 10:26
☆ぽんた@さん、明けましておめでとうございます!

新年早々嬉しいコメントありがとうございます。

現在このブログは都合により、継続するか検討中につき、更新していなくて申し訳ありません。
ぽんた@さんのように熱心に読んでくれる方が多いので、どんな形でも継続できればと思ってます。

方針が決まりましたら、このブログでお知らせ致しますのでもう少々お待ちください。
Posted by anubis 22 at 2007年01月06日 15:43
あけましておめでとうございます。
スミマセン、今頃やってきました。
大シリーズお疲れ様でした。
陰陽や五行にはまっていたところだったので、ほぉーっ◎◎と思いながら読ませていただきました。
私は最近、量子物理学とエネルギーとマクロビの関係について興味が出てきたところです。いくつか面白い発見がありましたよ。
Posted by 未来 at 2007年01月17日 15:52
☆未来さん、ご無沙汰です!

ながながと読んで頂いてありがとうございます。

最近の量子物理学は面白いですね!
どんどんスピリチュアルな感じになってきて・・・。

超ひも理論の多次元世界、量子力学のテレポーテンションやら、私も大好きです!

今、Natural magic 新サイト準備中です。またよろしくお願いします!
Posted by anubis 22 at 2007年01月18日 18:03
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